Sashunのカタログコラム

学校で教わらないけど普遍的で大事なことを、アイテムや体験を通じて、あぶり出すコラム

装置搬入の仕事をする時に注意すること

知っていれば事前に調整できるのに、知らなかったがために色々追加調整業務が発生してしまい、とても苦労しました。犠牲者を出さないためにも、気をつけることを共有します。

 

対象想定

2000mm×2000mm×2000mm前後の装置

搬入の経験が無い

失敗しないように教えてくれる親切な先輩がいないまたは先輩も知らない

 

注意開始時期

搬入数日前では遅いです。装置発注時から気をつけることがあるので、以下一通り読むことをお勧めします。

 

気をつけること

  • エレベーターに乗るかどうか

 搬入用のエレベーターは工場や会社によって様々で、幅が小さい、または高さが低いという理由で、装置が入らない場合があります。

 入らない場合はマシンハッチを使ってクレーンで吊り上げることが必須になります。

この点が搬入を指示する人の仕事が大変になるかの大きな分岐点です。しっかり事前に確認しましょう。

1階に搬入する場合は当然エレベーターは気しなくても良いが、入り口の大きさと装置の大きさの関係は把握しておくこと)

 

  • 搬入ルート

 さてクレーンで吊り上げることになった時、次に気にするのは搬入ルートです。

 屋外:

  ユニック車、クレーン車は、搬入作業時、大きく場所を占有します。工場の事前申請にて通退勤に支障がないようにしましょう。製品搬出入の妨げになる場合は休日に搬入するように要望される場合があります。

 屋内:

  どういうルートで搬入するかを装置の大きさからシミュレートしましょう。背が高い装置や幅の大きい装置は要注意です。搬入時に構内の通行(人だけでなくAGVも)の妨げになる場合は、通路占有時間等の事前調整を関係各所と行いましょう。また、搬入時に床傷を避けるためにブルーシート等で養生するのか、AGVルートの線や地面に貼り付けてあるIDを破損させないためブルーシートなどの養生を避けるのか、など流派があるので、事前に搬入先の要望を聞いてメーカーに連絡しましょう。

 

  • 墨出し日程

 装置を設置する位置を地面にマーキングするのを墨出しと言います。水糸、レーザー墨出器、下げ振りといった道具で、構内柱などの特徴点からXYを割り出し線を引きます。この作業は時間がかかるため、前日入りを要求されることがあるので、日程を確認して受け入れ申請等を忘れないようにしましょう。

 

  • アンカー打ち事前申請

 搬入して設置した後は、装置を固定するためにLアングル板で装置と地面をボルトで留めるアンカー打ちをおこないます。地面に穴を空けてアンカーボルトを打ち込みます。それなりの騒音と振動になるため、構内特に階下や会議室などに事前申請をしておきます。また、地震対策という側面があるため、設置先によってはアンカーボルト深さを指定する時があります。メーカー手持ちのアンカーボルトでは適合しない場合もあるため事前にメーカーに伝えておきましょう。

 

  • 発注時点で注意すること

 固定資産になる装置を発注するのとは違い、搬入は役務になるため、搬入のみをさせたい場合、契約を介する面倒くさい処理が必要になる場合があります。これを避けるために、装置発注の段階で、搬出入も見積もりに必ず含めるようにしましょう。

工場レイアウト見直しで装置を2階に集約させるような場合は、搬入のみの発注にせざるを得ないので、少なくとも色々な装置を移動させるタイミングは1回にまとめるようにしましょう。

 

  • 地上渡しか車上渡しか

 その他として、トラック上で渡し作業が完了する車上渡しにしておくと、搬入先でフォークリフトで下ろす行為が必要になります。フォークリフト作業者の依頼が必要になったり、下ろす時の保険が無いために作業自体を断られるような場合があります。極力地上渡しにしましょう。そうしておけば、運送業者がリフト付きのトラックにするとかユニック車にするとか、適切な搬送方法を選択してくれます。多少お金がかかりますが、諸々の危険や調整の煩わしさを回避するために、地上渡しにこだわりましょう

 

  • 業者の方とのやり取り

 搬入業者は、職人気質の方が多いと感じています。言葉遣いやスタンスが、普段接している人と違う場合がありますが、搬入というプロジェクトを一緒に完了させるために協力してくれるプロです。臆さずにストレートに会話しましょう。会社内のように社内政治や部門間の不仲の雰囲気に染まっていると、業者の方にも斜に構えてしまいがちですが、絶対にやめましょう。会社内がおかしいのです。

 

なんと事前調整や申請が多いのでしょう。。以上の気をつける点を頭に入れて、皆様が無難に搬入作業を終えられることを心から祈っています。

 

そんな時でも一歩ずつ。