Sashunのカタログコラム

学校で教わらないけど普遍的で大事なことを、アイテムや体験を通じて、あぶり出すコラム

大きな一段を登る <ベトナム一人旅>

転換期・ターニングポイントと呼ばれる、振り返ると人生で重要な場面は人それぞれの時期に訪れます。このことを「大きな一段を登る」と主題で表現しました。

私の大きな一団は、卒業旅行でベトナムを一人旅したときのことです。
いきなりタクシーでぼったくられたり、宿の予約しておいたのに部屋が無かったり、アジアの洗礼(!?)を受けた一人旅での話です。

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初アジアで夜の気温やむっとした熱気、誇りっぽさ、匂いに、過剰に敏感になっていました。その中でも一番驚いたのが、人の熱気でした。ホーチミンシティのデタム通りという旅人が集まる場所は人の熱気で有名で、是非泊まってみたい場所でした。宿がなんとか取れて疲れてはいましたが、とりあえず、100m歩いてベトナムの夜を感じたつもりになって、急いでホテルに戻ろうとだけ思い、出かけました。通りは、汚いイスを並べ、飲み食いして叫び、笑い、盛り上がっている人たちに溢れていました。欧米の人もいれば、日本人ぽい人、当然ベトナムの人も入り乱れて、大変な賑わいだったのは今でも鮮明に覚えています。まだ警戒心が強かったので、すぐホテルに戻ったのですが、夜遅くまで喧騒の音にあてられ、なかなか眠れませんでした。日本では決して体験できないことでした。

そんなベトナムで何日か滞在しツアーに参加したりすると、ぼったくられ感や外国人との交流にも慣れてきて、「警戒心よりも好奇心が勝る」ようになりました。ガイドブックに載っている電飾ギラギラの船に乗ってみたいと思うようになったのです。だけど、夜ひとりで出歩くのは怖いなぁという不安が拭えない、そんなごちゃごちゃな気持ちでした。一度はこの旅の間に冒険しようと思い、徹底的に宿までの行き帰りの地図を頭に叩き込んで、走って行きました。

道の途中で、併走してくるバイクからのしつこい勧誘を振り切り、電飾ギラギラ船までたどり着いた時はすごい達成感でした。船やショー自体もとても面白いものでしが、何よりも、あの感情を行動に変換できたことは、一生忘れないでしょう。初めて自転車に乗れた時の感覚に似ていると思います。このようにして、大学生活最後に冒険をしたことによって、ひとつ成長できたのです。

私の一段はこれでおしまいですが、なぜこの他愛もないことが一段になったのかを考えみると、「自分の気持ちに向き合って、行動に移せたこと」が大事な要因だったのかなと思います。私の場合は、一人旅がきっかけでしたが、何歳からでもできることなので、早いうちに「自分はどういう気持ちで、どうしたいか」を考えて、行動に移せることができれば、いろいろな可能性が拓けてくるんだと思います。

まあ、このように屁理屈をつけてでも良いので、旅にでてはどうでしょうか?


後ろを振り返らない、走り続ける、目的地だけを見据える。誰でも出来ることですが、やるかやらないか、最後のきっかけは、自分の気持ちです。自分の気持ちに言い訳を作らず、行動に移すことをいつまでも心がけたいです。

※ただし、身の安全を確保するのは旅先で最重要です。この旅行の体験は、あくまで心構えの例として挙げました。